株式投資を始めたのですが、板情報の見方がわからないなぁ・・・
「板情報」は株式投資ではとても重要なものですが、ポイントを押さえればカンタンです。
そもそも板って何?なぜ必要なの?という疑問から、見方や使い方、注意点を説明します。
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板情報とは何か?
「板情報」とは、株価ごとの買い注文と、売り注文の一覧表です。
「どの株価で」、「どれだけの注文数」がされているのかが一目瞭然で把握できます。
株式売買は、板情報を見て注文するのが基本となります。
板情報は3列で表示され、中央に株価があり、左の列に売数量、右の列に買数量が並びます。
株価ごとの1列単位(価格変化の最小単位)をティックと言います。
これらの情報のことを「気配情報」とも言い、板情報は銘柄ごとに確認ができます。
株価はどうやって決まるのか?
株価は市場原理と同様に、「需要」と「供給」で決まります。
例えば、ある銘柄の株式を株価990円で購入したい場合、990円での売り注文が入っていないと取引が成立しません。
そのため売買はされないということになります。
売買が成立するには、「990円での売り注文」がされる、または「売り注文の最低価格での買い注文、もしくは買いの成行注文」をしないとならないわけです。
このように、注文を基準とした需要と供給で株価は決まっていきます。
注文方法の種類
株式投資には、さまざまな注文方法があります。3つの注文方法を理解し、用途に合わせて使い分けましょう。
成行注文
成行注文は、株価を指定せず、注文時の最も低い株価の売り注文と売買が行われます。
成行注文のメリットは、スピーディーに取引が行えることです。
その反面、想定より高い株価で購入してしまう場合もあります。
指値注文
指値注文は、売買する株価を指定して注文を行う方法です。
希望する株価に達した時点で、自動的に取引がされます。
指値注文のメリットは、自分の希望する株価で売買ができる点です。
その反面、価格設定を見誤ると希望する株価にならずに売買が成立しないことがあります。
逆指値注文
逆指値注文は、「どこまで株価が上がったら買う」、または「どこまで株価が下がったら売る」という売買する株価を指定し注文する方法です。
指値注文と似ていますが、指値注文は「どこまで下がったら買う」、または「どこまで上がったら売る」という内容になります。
どのような時に使うかというと、「損切り」をする場合です。
1500円の株式を保有していた場合、1400円の逆指値売注文を設定しておくと、株価が1400円になった時点で自動的に売却が行われます。
大きな損失を出す前に、決められたボーダーで損切りができるので活用しましょう。
板情報の見方と使い方
図②では、売り注文が1000円で1000株、1010円で2000株入っています。
買い注文は980円で1000株、970円で2000株入っていることがわかります。
ここへ私が980円で100株の買い注文を入れると、図③のようになります。
980円での買い注文が1100株となり、私の注文は1番最後に入ったことになります。
注文した順番に売買が成立するので、先に入っていた注文が成立しないと私まで順番が回ってこないことになります。
また、板の上部に「OVER」、下部に「UNDER」という表示があります。
これは、板の株価外の見えていない株価でどれだけの注文があるのかを表示しています。
株式市場で取引ができるのは、平日の9時から11時30分の「前場」、12時30分から15時までの「後場」となります。
取引時間外の表示は取引終了時点の情報になります。
図④では注文が多くされています。
注文が多く入っている銘柄は、「板の厚い銘柄」と言います。
板の厚い銘柄は、売買の注文数も取引をする投資家も多く流動性が高くなります。
このような、流動性の高い銘柄は、デイトレーダーに好まれます。
買い方、売り方のトレンドを見極める
株式投資は、買いたい人が多いと株価が上がり、売りたい人が多いと株価が下がります。
つまり、板情報の注文数から、どちらが優勢かが一目瞭然です。
買い方と、売り方のどちらが優勢かを見極められれば、その後の値動きの予想ができるわけです。
錯覚を起こさせる「見せ玉」
株式投資では、様々な投資家が参加をします。
中には、売買するつもりがない指値注文を大量に入れ、トレンドを強く(弱く)見せようとする参加者もいます。
これは「見せ玉(みせせぎょく)」や「見せ板(みせいた)」と呼ばれ、「相場操縦」に該当する違法行為であり刑事処罰の対象です。
見せ玉は約定の意思がないため、株価が近づいてきたらキャンセルされるので、見ていればわかります。
株価の変動をさせないための蓋
株式投資をしていると、ほとんどの注文数が数千程度のところ、桁違いの数万やそれ以上の注文が入っていることがあります。
これは、これ以上株価を変動させたくないと、大口投資家などが蓋をしている可能性があります。
この蓋については、見せ玉の可能性もあるため、明確な判断はむずかしいです。
買い上がり、売り崩し
直前の株価を上回る(または下回る)値段で、継続し売買を行い、株価を引き上げて(または引き下げて)いくことです。
大量の注文を出すことで、売り注文(または買い注文)が減っていきます。
株価が変動し流れに乗って買う人(株価が下がりパニックになって売る人)が増えます。
繰り返すことにより、どんどん株価は上昇(または下落)していきます。
買い上がり(または売り崩し)をした投資家は、売却(または買戻し)することで利益を出します。
資金力のある投資家による強制的な行為です。
こちらも、相場操縦にあたります。
板情報「活用と注意」のポイント
成行注文の数は表示されない
成行注文は、即取引が成立しているため板には表示されません。
そのため、大量の成行注文が入った場合、大きく変動してしまいます。
これが売り注文であった場合、暴落となるわけです。
特別なマーク「特」、「S」、「連(K)」は注意のサイン
板情報には、数値以外にマークが表示されることがあります。
以下のようなマークになります。
- 「前」または「寄」:取引開始前の気配。
- 「特」:特別気配。
- 「S」:ストップ高、ストップ安。
- 「連」または「K」:連続約定気配。
「前」または「寄」
寄前気配といい、寄付き前の始値の気配値をあらわします。
「特」
買い注文数が多すぎて売買が成立しない「買いの特別気配」と、売り注文数が多すぎて売買が成立しない「売りの特別気配」があります。
特別気配になると、取引は一時的に停止され取引を調整する動きがとられます。
売買の方式がザラ場方式(取引時間内の通常の取引のこと)から、板寄せ方式(相場が始まる前の始値を決める際に用いられる、成行を優先し、高い注文と安い注文を突き合わせ、値段を合致させていく)に切り替えられる。
数分おきに大きく動いた株価が板へ反映されるため、注文をいれたとしても狙った株価で売買が成立するとは限りません。
そして、特別気配の解消されるタイミングは売買が成立し、買いと売りの注文バランスがとれた時点になります。
また、特別気配解消後は、株価の変動が激しくなりやすいので注意が必要です。
「S」
値幅制限限界まで買われる「ストップ高」や値幅制限限界まで売られる「ストップ安」となっていることをあらわします。
「連」または「K」
連続約定気配のことをいい、注文が連続して約定し株価が急激に上昇する可能性がある状態です。
板が薄い銘柄は要注意
図⑤は「板が薄い状態」です。
990円の買い注文と1000円の売り注文の間が空いており、その前後の注文も値幅が空いています。
このような板が薄い状態では、成行注文を出すのは危険です。
もし成行で25000株の買い注文を出した場合、1000円で10000株、1005円で10000株、1010円で5000株のような取引となることが予想されます。
平均取得単価は1004円となり、990円よりもかなり高く購入することになります。
板の薄い状態では、成行注文は控えた方がよいでしょう。
見せ玉の可能性がある銘柄での立ち回り
買いに見せ玉がある場合
図⑥では、株価が994円から1005円まで表示され、買数量も売数量も300株から2500株が中心です。
ですが、997円の買数量だけが85000株と他に比べ大量の注文が入っています。
これは、見せ玉か蓋の可能性があります。
- 見せ玉の場合:買い方のトレンドが強いように見せたい投資家がいる。
- 蓋の場合:997円に大量の買い注文を入れ、これ以上下落しないように蓋をしている。
見分け方は、株価が下がり997円の株価に近づいた時点でキャンセルがされるかどうかです。
このような時の取引について、2つの方法があります。
1つ目:大量の注文が入っている997円まで待つ。
先ほどの見分け方で説明しましたが、大量の買い注文に、約定の意思があるかどうかがわかります。
これにより、こちらも997円の1ティック上の998円に指値注文を入れることができます。
998円で購入し、もし値下がりをしたとしても997円で済むことからリスクを少なくすることができます。
2つ目:大量の注文が入っていることから、他の投資家も同様であると想定する。
997円の大量注文があることにより、他の投資家も、これ以上下がることはないと考え998円で注文を入れます。
このことから、株価は上昇しやすくなっているのでそのトレンドに乗るために、見せ玉の確認はせずに購入をします。
売りに見せ玉がある場合
図⑦では、1001円の売数量が63000となっており他のティックに比べ大量の注文数となっています。
こちらも、見せ玉と蓋の可能性があります。
- 見せ玉の場合:売り方のトレンドが強いように見せたい投資家がいる。
- 蓋の場合:1001円に大量の売り注文を入れ、これ以上上昇しないように蓋をしている。
買い方で考える場合、株価が値上がりし1001円になりキャンセルされなければ、この株価で売却する意思のある投資家なので値上がりは期待できません。
そのため、様子見がいいでしょう。
63000株を消化して上昇するには、多くの出来高が必要となり、その出来高がないようであれば当日での上昇はなおさらありません。
反対に、1001円に大量の売り注文があることから、それ以下の1000円や999円での売り注文が増える可能性が高いです。
もし、この局面で購入するとしたら、1001円の売り注文が消化される寸前での買い注文を入れます。
大量の売り注文を消化できるようであれば、上昇トレンドに乗り利益が得られる可能性があるからです。
まとめ
- 板情報は注文数量の一覧表。「どの株価で」、「どれだけの注文数」があるのかが一目瞭然。
- 注文数の多さから、買い方と売り方のどちらが優勢かが判断できる。
- 取引の判断を迷わせる、相場操縦「見せ玉」、「買い上がり」、「売り崩し」に注意する。
- 特別なマーク「特」、「S」、「連(K)」が出てきたら注意する。
- 板情報は株式投資を判断する基本とも言える情報。見方を身につけるのは必須。
記事を読んで、板情報の見方を理解できたと思います。
数字が表している意味についてもわかりました。
これからの分析に役立てて行けそうです。
板情報の見方がわかれば、状況に合わせた株式投資ができ、時には参加しないという選択もできます。
ぜひ、記事を読んで学んだ知識を活かしてください。
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