不動産投資は節税ができると聞きますが、どうやって節税していくのですか?
不動産投資での節税には、減価償却費用を活用します。
あまり聞きなれない言葉ですね。
カンタンに教えてください。
安心してください!
むずかしいものではないですよ。
この記事で、減価償却がどんなものかと、使い方を説明します。
読み終わるころには、減価償却の使い方がつかめているでしょう♪
【目次】 クリックで該当箇所へ移動!
魔法の経費!減価償却は出費無しで作れる!
減価償却は、償却資産を法律で定められた年数で、分割して費用計上をすることです。
償却資産には、「建物」と「建物付属設備」などが該当します。
減価償却は不動産購入後に、手出しのお金をゼロで作ることができる経費です。
不動産投資の減価償却は節税に超有効!
不動産の購入金額をはじめに支払いますが、それ以降の支払いはありません。
つまり、当年以降は、キャッシュアウト(手元からお金が出ていくこと)せずに、毎年経費の計上ができるということです。
経費を計上すると、利益が減ります。
利益が減ると、支払う税金も少なくなります。
そして、節税に繋がります。
通常の経費は、納税額を減らせますが支出が必要です。
支出があるため、トータルで利益を増やせたとは言えません。
そのため、キャッシュアウトなしで経費となる減価償却は、魔法の経費と言えるわけです。
また通常、経費の計上は単年で行います。
それに対して、不動産投資の減価償却は、毎年継続して計上し続けることができます。
数年間、数十年間と、長く恩恵を受けられることも節税に有効な理由の一つです。
利益が大きいと、課税率も大きくなります。
利益を圧縮し、税金のコントロールできることは大きな魅力です。
ポイント
- 通常は、キャッシュアウト(出費)して経費にする。
- 減価償却では、2年目以降、キャッシュアウトなしで経費にできる。
減価償却費用から購入資金を回収
減価償却は、「建物」や「建物付属設備」に投資した資金を、費用計上することであると説明しました。
5,000万円の建物を購入した場合、その年に5,000万円の経費には出来ません。
償却期間が10年であれば、毎年500万円ずつ経費として計上します。
実質、購入資金を後から回収していると言えます。
建物の価格が減価償却費用
減価償却することができるのは、「建物」と「建物付属設備」です。
劣化しない「土地」は対象ではありません。
減価償却の対象には、法律で耐用年数が決められています。
耐用年数に合わせ、経費として計上していきます。
減価償却資産に該当するものは何?
償却資産は、「有形固定資産」と「無形固定資産」に分けられます。
<有形固定資産>
- 建物
- 建物付属設備
- 構築物
- 車両
- 機会
- 工具
<無形固定資産>
- 特許権
- 商標権
- 営業権
- ソフトウェア
有形固定資産は形があるもの、無形固定資産は形がないものになります。
減価償却資産には、事業用の耐久性の高い資産で、金額が10万円以上という条件もあります。
減価償却費用の計算方法
減価償却を利用して節税するために、どの程度の金額を減価償却費とできるのかを把握することは重要です。
減価償却費は、計算式から算出できます。
2種類の計算方法
減価償却費の計算方法は、2種類あります。
- 定額法(一定の金額を元に計算する)
- 定率法(一定の比率を元に計算する)
定額法の計算方法
減価減価償却費=建物価額(価格)÷減価償却期間
又は、
減価償却費=建物価額(価格)×定額法の償却率
※定額法の減価償却率=1÷耐用年数
定額法は、毎年同じ金額を償却するのでわかりやすいでしょう。
計算式を2つ紹介しましたが、どちらの計算式も同じ意味になります。
定率法の計算方法
減価償却費=償却残高×定率法の償却率
※償却残高=建物価額(価格)-前年度までの減価償却類型額
定率法は、前年度までの減価償却累計額である、償却残高を基準に計算します。
毎年償却額が変わります。
償却率は、耐用年数によって定められています。
国税庁のHPに一覧表がありますので、ご紹介しておきます。
減価償却は、定額法か定率法のどちらかで計算します。
国税庁HPの一部を抜粋します。
減価償却のあらまし
平成19年3月31日以前に取得した減価償却資産(以下「旧減価償却資産」といいます。)については、「旧定額法」や「旧定率法」などの償却方法で、平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、「定額法」や「定率法」などの償却方法で減価償却を行います。さらに、平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法は、旧定額法又は定額法のみとなり、平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物の償却方法は定額法となります。
なお、上記の取得には、購入や自己の建設によるもののほか、相続、遺贈又は贈与によるものも含まれます。
前記の償却方法は、減価償却資産の種類ごとに選定します。この場合、償却方法の選定の届出が必要です。 例えば、新たに業務を始めた場合には、減価償却の方法を選定してその翌年の3月15日までに所轄の税務署長に届け出なければなりません。この届出がない場合には、法定の償却方法で計算することになります。 法定の償却方法は一般的には旧定額法又は定額法です。
カンタンにまとめると、以下のとおりです。
ポイント
- 今後取得する建物、建物付属設備、構造物は定額法で計算。
- 定率法で計算したい場合は3月15日までに届け出が必要。
減価償却期間は法定耐用年数で決定される
減価償却期間は、建物の構造から定められている法定耐用年数で決定します。
以下の表のとおりです。
木造 | 22年 |
鉄骨造 骨格材の厚み3mm以下 | 19年 |
鉄骨造 骨格材の厚み3mmを超え4mm以下 | 27年 |
鉄骨造 骨格材の厚み4mm以上 | 34年 |
鉄筋コンクリート造 | 47年 |
建物付属設備も種類により、耐用年数が定められています。
以下の表のとおりです。
電気設備(蓄電池電源設備) | 6年 |
電気設備(その他) | 15年 |
日よけ設備(主に金属) | 15年 |
日よけ設備(その他) | 8年 |
給排水、衛生設備、ガス設備 | 15年 |
ポイント
減価償却期間=法定耐用年数
新築不動産での減価償却の計算
新築不動産の場合は、定められた耐用年数を償却期間として計算します。
非常にシンプルです。
木造の新築不動産を2,000万円(建物のみの価格)で購入した場合。
新築木造の減価償却費
2,000万円×0.046=92万円
毎年92万円を、減価償却費として計上することができます。
中古不動産での減価償却の計算
中古不動産の場合は、築年数に応じた計算が必要です。
法定耐用年数の「全期間」、または「一部期間」が経過しているケースをそれぞれを紹介します。
耐用年数を全期間経過しているケース
中古不動産の築年数が、耐用年数を超えている場合の計算は、償却期間の計算から行います。
全期間経過した償却期間計算式
減価償却期間(端数切捨て)=法定耐用年数×20%
木造の耐用年数は22年
22年×20%=4.4年=4年(端数切捨て)
木造の築年数25年中古不動産を2,000万円(建物のみの価格)で購入した場合。
木造(築25年)の減価償却費
1÷4年=0.250(償却率)
2,000万円×0.250=500万円
毎年500万円を、減価償却費として計上することができます。
耐用年数の一部期間を経過しているケース
中古不動産の築年数が、耐用年数を一部経過している場合の計算も、償却期間の計算から行います。
一部機関経過した償却期間計算式
減価償却期間(端数切捨て)=(法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20%)
木造の築20年中古不動産を2,000万円(建物のみの価格)で購入した場合。
木造(築20年)の減価償却費
(22年-20年)+(20年×20%)=6年(耐用年数)
1÷6年=0.167(償却率)
2,000万円×0.167=334万円
毎年334万円を、減価償却費として計上することができます。
減価償却は赤字でも問題なし!
一般的に赤字は避けたいものです。
しかし、減価償却の赤字に関しては、心配する必要はありません。
まったく問題ないです。
利益が減ったように会計処理できる
1,000万円規模の、大きな減価償却費用を計上し、利益が減りすぎて赤字となる場合があるとします。
この場合でも、まったく問題はないので安心してください。
減価償却は、会計上の処理にすぎません。
手元からお金が出て行っているわけではなく、実際の利益に影響はないです。
利益が500万円あれば、手残りも500万円。
500万円(利益)-1,000万円(減価償却費)=-500万円となり、500万円を支払うということではありません。
利益はあるのに、減ったように会計処理を行うことができるわけです。
減価償却後の赤字は銀行評価に影響しない
「減価償却後の赤字」によって、銀行が融資してくれなくなるのではないかと心配になる方もいるでしょう。
こちらも、まったく心配する必要はありません。
銀行が評価をするのは、「減価償却前のキャッシュフロー」についてです。
つまり、減価償却後の赤字は関係ありません。
高所得者はわざと赤字にして損益通算
これまでの説明で赤字が問題とならないことがわかったと思います。
減価償却費用の計上で、わざと赤字にすることが可能ということです。
計算方法の選択、不動産の建物の割合を増やすことにより、減価償却費をより大きくすることもできます。
特に、税率の高くなる高所得者は、赤字を損益通算することで大きな恩恵を受けることができるでしょう。
減価償却の注意点
これまでの説明で、良いことばかりだと思われている方も多くいるでしょう。
メリットは多くありますが、当然デメリットもあります。
減価償却をすると譲渡税が上がる
不動産の売却を前提としている方は、譲渡税が上がることに注意が必要です。
不動産を売却した際、利益(譲渡所得)に対して大きな譲渡税がかかる可能性があります。
売却時の利益は「利益=売却金額-残債(残りの借金)」と考えがちです。
実は、「購入価格-減価償却費」である「簿価」が大きく関わります。
簿価は、減価償却すればするほど減っていきます。
譲渡所得の計算
譲渡所得=売却価格-(購入価格-減価償却費)
譲渡所得(売却価格)が大きくなると、譲渡税も大きくなります。
売却を想定している人は、節税するタイミングなのかを十分検討しましょう。
節約してきたものが、譲渡税で消し飛ぶのはもったいないです。
個人の減価償却は強制計上
法人は、減価償却費を年度により計上しないという選択ができます。
しかし、個人は毎年計上しなければなりません。
もしも、その年の不動産所得の赤字が、損益通算してもマイナスであれば、対策が立てられます。
青色申告をしている場合、3年間繰り越して控除することができます。
減価償却できるのは償却期間中のみ
減価償却は、減価償却期間中しか費用計上が出来ません。
節税効果により、所得を抑えていた場合、償却期間終了後にこれまで以上の税金を納めることになるでしょう。
減価償却による節税の恩恵を受けるには、設備を新しくしたり、新たな物件を購入したりする必要があります。
まとめ
- 減価償却は償却資産を、経費として分割して計上すること。
- 不動産投資で減価償却ができるのは、「建物」と「建物付属設備」。
- キャッシュアウト(出費)なしで作ることができる、魔法の経費!
- 減価償却費用の計算方法は、定額法と定率法の2種類がある。
- 減価償却による赤字は、損益通算し支払う税金を安くできる。
- 減価償却をすると、売却時に譲渡税が上がるので注意が必要。
減価償却が、どのようなものかマスターできたと考えて。
減価償却は税金のコントロールが可能です。
ぜひ活用しましょう♪
手元からお金を出さずに、経費として扱えるのは凄いですね!
所得から経費をマイナスすることで、支払う税金を減らせます。
高所得者は特に恩恵を受けることができます♪
あなたも一緒に、手出し無しで、手残りを増やしましょう!
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